毎日のスキンケアが肌を変える〜弓気田みずほさん(美容コーディネーター)
毎日のスキンケアが肌を変える
実はスキンケアについてきちんと教えてもらえる場がないのが現状です。学校で教えてくれるわけでもなく、自己流の方がほとんどではないでしょうか。
まず考えていただきたいのが、自分の肌をどういう状態にしたいか、ということです。シミやしわが気になるなど悩みはあると思いますが、ハリやつや、顔色など、全体の印象の方が大事です。人は毛穴まで見ませんから(笑)。どんな印象にしたいか―たとえば透明感を出したい、いきいきと見せたい、または今の状態をキープしたいなどを考えてみてください。ハリやつやがあれば細かいトラブルはあまり気にならないものです。木でいえば幹にあたる、肌の基礎の部分のコンディションを整えてから、目立つトラブルのケアをすることを心がけましょう。幹がしっかりしていなくては、枝葉だけ気をつけても仕方ないのです。
自分の肌のことは自分しかわからない
「私の肌に合うものは?」と聞かれることがありますが、本当のところは自分にしかわからないものです。毎日、肌を見て、触れているのは自分だけです。ただ、スキンケアはついついルーティンワークになりがち。吹き出物ができている、くすんでいるなど体や肌が発するシグナルを見逃さないでほしいです。乾燥していたら化粧水をいつもより多めにつけたり、クリームを丁寧になじませたり、普段のケアも工夫するとコンディションを保てます。マッサージやパックなどのスペシャルケアをいきなりやっても、効果的ではありません。胃が弱っているのにステーキを食べられないのと同じですね。普段のケアを丁寧にやっている肌にこそ、エステやマッサージが効くのです。ただ、遅く帰ってきたときや疲れているときもありますよね。逃げ道としてメーク落としと洗顔料が一緒になったものを使うなど手を抜く方法も覚えておくといいですよ。
使い続けられるものを選ぶ
いろいろなブランドがありますが、どこのブランドのものを使っても、正しく使っていけば結果は出るものです。ですから毎日きちんと使い続けられるものを選ぶのが大切です。美容液一つとっても、そのテクスチャーや香りはさまざま。試してみて気持ちよく使えるものを選びましょう。また、化粧品売り場のスタッフの話をしっかり聞くこともおすすめです。製品のことをよく知らないで、間違った使い方をしても効果が出ません。せっかく売り場で買うのならアドバイスを上手に聞くほうがお得です。
基本の洗顔
さまざまな洗顔料がありますが、どう使うかが問題。価格の安いものでも高いものでも丁寧に泡立てること。そうすることで汚れに触れる表面積が広がり、こすらなくても落ちるのです。すすぐときは人肌の温度のお湯を使えば、肌に与えるショックが少なくてすみます。温度が高いと潤いや必要な皮脂が落ちてしまい、低いと毛穴が縮こまって汚れが落ちないのです。ふくときはタオルでそっと押さえるようにしましょう。それから、アイメイクは専用のリムーバーを使って、確実に丁寧に落とすことなど、一つ一つの所作を丁寧にやることが大切です。スペシャルケアについ走りがちですが、毎日のケアの積み重ねで肌に差がつき、見た目年齢に影響します。肌のきれいなお年寄りが「何もしていない」というのは、スペシャルケアをしていないということで、毎日のケアは丁寧にやっているのです。
内側からのケアも大切
肌の不調は全身の不調の表れということもあります。食事や冷え対策など、内側からのケアも肌の調子を保つには必要なことです。化粧品は薬ではなく、よりよい状態を保つための手助けをするものです。「中も外も美しく」をモットーに頑張りましょう。
弓気田さんにQ&A
—最近の化粧品のトレンドは?
「エイジング」との戦いですね。どのブランドも進化を続けているので、上手に使ってきれいな肌を保っていると、さらにいいものが出てきますよ。
—体調をととのえるのにやっていることは?
いろいろやっていますが、漢方を取り入れています。体の不調を中から改善してくれます。
(2010年12月2日丸の内サロンにて)
美容コーディネーター
(株)ユジェット代表。大手化粧品メーカーや商業施設へのコンサルティング、人材育成を手がける。新丸ビル内のコスメゾーン「マルノウチボーテ」をプロデュース。伊勢丹新宿店勤務時に「ボーテ・コンシェルジュ」を立ち上げる。著書に『スキンケア進化論。』(KKベストセラーズ)がある。
http://www.uget-net.com/
http://ameblo.jp/yugeblo/
http://www.marunouchi-kirei.jp/