モロッコ、旅を楽しむヒミツその1〜口尾麻美さん(料理研究家)
料理研究家の口尾麻美さんにお話をうかがいます。口尾さんは旅からインスピレーションを受けた料理を提案し、雑誌や書籍などで活躍中です。モロッコの鍋、タジンのキュートな形に一目惚れして以来、タジンやクスクスに関する研究を重ね、本も多数出されています。最近も取材をかねて、モロッコを旅してきたそうです。そんな口尾さんに「モロッコ、旅を楽しむ5つのヒミツ」を教えてもらいました。
モロッコ、旅を楽しむヒミツ その1 モロッコ料理は野菜たっぷり
モロッコの料理といってすぐに思い浮かぶのは、やはりタジンでしょう。円錐型のふたが特徴の土鍋をタジンといい、その鍋でつくる、水を使わずにできる煮込み料理もタジンといいます。タジンには砂漠に生きる人々の知恵が詰まっているのです。肉や魚など地方や家庭によって種類はさまざまですが、基本的に野菜がたっぷり入ります。野菜の味も濃くておいしいんです。
タジンの特徴である円錐形のふた。食材から出た蒸気を効率よく循環させ、その水分で調理ができるようになっています。食材の味を引き出し、栄養も逃がさない、非常にすぐれた鍋なのです。タジンのときの主食はホブズという丸い形のパン。このパンで具を挟みながら食べるのがモロッコスタイルです。前菜は、角切りのきゅうりやトマトを使ったモロカンサラダが定番です。
タジンを使った料理のほかに、よく食べられているのがクスクスです。デュラム小麦の粉を粒状にしたクスクスに肉や野菜などを煮込んだスープをかけていただきます。この料理のこともクスクスといいます。こちらの料理もじゃがいもやにんじんなど野菜をたっぷり使います。モロッコでは、金曜日は家族でクスクスを食べる習慣があります。大皿に盛り、みんなで分けて楽しみます。
丸の内サロンはインターFMで月曜から金曜日までお昼の12:10〜12:30放送中です。
口尾麻美さん
Asami Kuchio
料理研究家。旅からインスピレーションを受けた料理を提案し、雑誌や書籍などで活躍中。モロッコのタジンやクスクスに関する著書も多数。バッグブランドpetit-amiとコラボしたキッチン雑貨も展開している。Kitchen Diary http://ameblo.jp/asamilpw/
野菜がたっぷり使われるタジン。タジン鍋はそのデザインと機能性から、日本でも人気。
『EAT MOROCCO!モロッコで出会った街角レシピ(仮)』 口尾麻美著 グラフィック社
2011年6月上旬、出版予定です。