アーティストの視点で生活を楽しむ〜戸塚恵子さん(イラストレーター)
私が日頃から心がけていることは周りをよく観察することです。注意深く、周りを観察しながら歩いています。電車に乗っているときも、人間観察をしていますね。日頃の蓄積がイラストのアイデアやネタにつながります。
観察することから始めよう
この観察することの大切さを気付かせてくれたのは外国の友人でした。日本に遊びにきた彼女を案内したところ、私たちが普段気にもとめないようなことに驚き、感動していたんです。たしかに私も海外に行くと、見るものすべてが新鮮で新たな発見や驚きを感じていました。当たり前と思っている日本の文化について聞かれたり、言われたりすると改めて「すごい」と感じたり、見方が変わることってありますよね。自分のまわりをもっときちんと見ようと思ったのです。
先入観を捨てることが大切
こうして気付いたのが、私たちは先入観や思い込みをもってモノを見ているということです。たとえば日本の子供たちにチューリップを描いてというと、みんなが決まって同じような、上がギザギザした絵を描きます。でも本当のチューリップは違いますよね。皆さん、けっこう見ているようで見ていないことが多いのではないでしょうか。最近はインターネットでどんな情報もすぐに手に入りますが、本物を実際に見ることも大切だと思います。日頃から、海外旅行にきているかのように先入観を取り払って、いろいろなものを見てください。気づくことが増え、そこからアイデアが生まれてきます。
私も北欧を訪れて、刺繍やクラフトの素晴らしさにふれ、コラージュというアートを確立することができました。先入観や固定観念にとらわれず、視野を広げて、アンテナをのばしていると、自分に必要なものに出会えるはずです。そして、試行錯誤するうちに自分のスタイルを確立できるのだと思います。心がけ次第で、毎日の生活が違ったものになりますよ。
戸塚さんにQ&A
—-日頃、観察していて気になることは?
—-今まで訪れて気に入った国は?
戸塚恵子さん
イラストレーター。街や食に関するイラストを中心に、雑誌や書籍で活躍中。10月からはカフェ「ル・カフェ・マミィ」で個展を開催予定。